消しゴムかけ忘れ

ノートの隅の忘れ物

脈絡なく独白

好きになった音楽を飽きるまで聴き倒す癖がある。

寝ても醒めてもそのことばかり考えて、今の自分にはそれしかないとまで思わせるほどの熱情を抱けるのは何も生き物相手に限った話では無いらしい。

 

音楽が好きだ。

歌詞としてでしか成立しない文字列というものは確かに存在していて、ある種制約がある中で紡がれる思考は、時にいっそう美しい。

そしてそれに音が乗る。表現したいことをたくさん乗せられる音楽というものが、正直に言ってひたすら羨ましいと思ったりする。だってそれは、音楽にしかできないことだ。移ろいが創造できるのは、音楽だけなのだ。

 

真剣に考えた後、真剣に「いいなあ」とぼやいたりすることがある。わたし自身に音楽の才能が無いから尚更そう思うのだろうけど、なんだかふとした瞬間に「音楽って強いなあ」と思ったりなんかする。

 

 

とかなんとか書いていたら好きな作家がわたしの中の正解ドンピシャなことを話していたのを思い出した。

これを見た日には首がちぎれるほど頷いたし、いったんこうして言語化できる人の文章を見るとどんどん自分の思考がそれに侵食されていくのが何とはなしに分かってしまうし、だから結局自分が本当は何を話したかったのかもう曖昧になってしまったし、この辺で適当に切り上げるしかないのかもしれない。

いつも人の思考に浸って生きるこの日々をどうにかして掬い上げてやりたい。早く自己の確立を端々だけでもいいからしてやりたい。「自分はこれだ」と、自他共に知って堂々前を向いていたい。もうどうせ大成できないだろうことを知って、手元に残るのが何も出来ない自分だったとしてもそれすら好いていてあげたい。

どうしてそんなに他人行儀なんだと言われれば言い返せやしないけれど、どうか最低限の自己肯定と自惚れを勘違いしてほしくはないな、とも。

幸せに生きるって難しいよなあ。

 

20201201